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ご指導
千早のトイレが無事に終わり、千早をステーションに連れてくると宵は千早を椅子に座らせ周防を呼びつけた
「周防、ちょーっといいかな?」
「へ…俺?」
なんなん?俺、なんかしたやろか…
しかも、なんでか千早がおる。
「さて、周防。千早くんに何か言うことないかな?」
「何か……。んー。おっきい方出たん?」
「え……う、うん」
千早は居心地悪そうに縮こまって返事をし、萎縮する千早の頭を宵は優しく撫で
「周防。そうじゃないよ」
「はい?なんなん?」
「千早くん、すっごい怖い思いしたみたいだよ。まだ初日。入院して何時間も経っていないのに」
「え…あー…それは仕方ないですやん。やらなあかんことやったんやし」
「もう少しやり方がなかったかな?よく考えてみて」
「はぁ…でも…」
「言い訳はいりません。どうしたらよかったかレポートにまとめてくれるかな?」
「ええ…っ」
「へ、ん、じ!」
「う…は、はい」
「もうちょっと患者さんの気持ちに寄り添ってあげましょうね?」
「分かり…ました」
「はい。行ってよし。前半に休憩に行っておいで。午後、処置3に千早くん送り出さないといけなかったよね?違ったかな」
「合ってます。えと…失礼します。あ、あの…千早、ごめんな?」
「うん…。師長さんが慰めてくれたから大丈夫」
「ほんなら、また午後な」
「千早くん、お昼ご飯もうすぐだから食堂に行こうか」
「うん」
千早は宵に手を引かれてはじめての食堂へと向かった。
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