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実継先生と千早
はじめて処置3へ連れてこられた千早は緊張していた。
「ここが処置室の3番な?担当になる祖父江先生がよぉ使っとる部屋や。診察内容によっちゃ1番って言われることもあるやろうけど、よっぽど3番やから覚えておいてや?」
「う、うん。分かった」
「ん〜?千早。息吸ってやー」
「え?うん。すー」
「吐くー」
「ふー」
「吸って」
「すー」
「吐く」
「ふー?」
「落ち着いた?めっちゃ表情固まってたで?そう怖い先生やないからおびえんでええって」
「紫藤先生は怖いよ」
「紫藤先生はどの子に対してもツンツンしとるからしゃあないねん。ほんなら行ってき」
「えっま、待ってよ。まだ心の準備がっ」
コンコン
「千早、連れてきたでー」
「ありがとう。中に通してくれるか?」
「りょーかい。ほら、千早。入った入った」
「やーだー」
「そんなん言わんと入り?先生、待ってんで」
「無理ーっ」
千早は扉にしがみついて嫌がり、なかなか入ってこない千早を不思議に思い実継は出入り口までむかい
「どうした?」
「なんか部屋に入るの嫌がってもうてん」
「仕方ないな。ほら、抱っこしてやるから」
「ええっ」
慣れた手つきで姫抱きをし始める実継に驚き千早は声を上げ、慌てて実継にしがみついた
(先生、いい匂い。師長さんと同じ匂いする…優しいのかな?双子ちゃんはこの先生を取り合いしていたもんな。オレには真白がいるからときめいちゃダメだけど…先生かっこいいからちょっとドキドキ)
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