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娯楽タイム

病室エリアを抜けて処置室の並びを通り越えてナースステーションが見えてくると聞こえてくる楽しそうな笑い声。 なんだろう? 千早が考えながら廊下を曲がるとポーンっと赤い風船が飛んできて千早は慌てて風船を抱きとめた 「わっ…え、風船?」 「風船ー!飛んでちゃった。あっ千早おにぃちゃんとまさむね!ハルー、まさむね来た」 「まさむねーっ」 「げふっ」 ハルに飛びつかれた雅宗は苦しそうに声をあげながらハルを抱きあげ 「こらっ、ハルナツコンビはまた俺のこと呼びすてしてぇ、あかんやろ。うぉりゃ」 「きゃーっ。ナツ、助けてー」 雅宗がぐりぐりと額をハルの額にこすりつけるとむずがゆさにハルは叫び そんな3人の様子に千早は目を手にして見つめ なんか…なかよし? 不思議そうな顔をする千早の肩をポンと実継が叩き 「起きたみたいだな?風船、とってくれてありがとな?」 「え…。あ、うん。どぞ」 実継は千早から風船を受け取るとナツにポーンと風船を投げ 「ナツ!風船いったぞ」 「はい!ハルっ」 「わ、投げる位置高いよ!まさむね、ジャンプっ」 「ええ?しゃあないな。ほらっ」 「えいっ。千早おにぃちゃん、風船飛んでったよ」 「え…えっ…どうしたらっ」 「祖父江先生にポーンってしたれ」 「わ分かった」 ポーンと風船を飛ばすと爽やかに笑う実継が風船を飛ばし返してきて千早は実継の素の姿を見てドキドキが止まらず固まり、打ち返せずに風船が床に落ちた

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