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第13話 好きになった理由
「寒い雪の日の3年前、私はこの会社の部長に就任した。その頃の会社というとまだ社長が千夏じゃなかったんだ、風あたりも悪くてね、一息つこうと思って外の自販機の前に行ったら社員の子がいてね、その子もなんだか項垂れていたんだ。
もしかしたら私と同じ気持ちだったのかもしれない、そう思って声をかけようとしたら先に声をかけたのは彼のほうで
回想
「あの、ここ座りますか?」
「いいのか?」
「ええ、特等席ですよ」
「特等席なのか?」
「はい、僕がこのベンチ温めてたので」
「それなら君がここに座っていたら?」
「いえ、僕より寒そうな顔していたので譲りますよ」
でも彼の背中には付箋がついていた。
そこに書かれていたのが
「へたれ?」
「ああ、またですか、最近多いんですよね、まぁ合ってるので別にいいんですけど」
と特になにも思っていないのか付箋を丸めていた。
もしかしてこの子にならちょっと勇気が貰えるのかもしれない、そう思った。
「あのさ、嫌じゃなかったら私の頭撫でてくれないか?」
「かまいませんよ」
「(どうしよ、この子好きだ)」
回想終わり
「っていうのが瑠夏を好きになった話」
「…………そ、そんなことありましたっけ…………」
「(あー顔真っ赤、可愛いやつ)瑠夏」
「………うっ………僕はそんなというか僕みんなのこと野菜にしか見えないのにおかしいです」
「おかしいな、それはじゃぁあの時見えた私は野菜じゃなかったということか」
「……そうなっちゃう」
「野菜ってことはつまり興味がない、しかし私を人間として判断したということは実は私のことが前から好きだったということか?」
「ひゃっ………それは分かんないけど、今はその……」
「そのなんだ? (ああ、答えが分かってるからこそのもどかしさ)」
「好き………なんだと思う」
「なんだと思う?(おおっと、そうきたか素直になれないところも可愛い)」
ぐりっと前立腺にあてると
「ひゃい!! そこはあっダメ、そこぐりぐりされるとなんか、もう………」
「(体を小刻みに震わして喜んでいるのはもう美味すぎる)」
「ああん// 意地悪しないで」
「(意地悪したくなっちゃう)もう一度聞くけど私のことは?」
「…………ううっ、好き、部長のことが大好きです!!」
ちょっと大袈裟だったかもしれない、でも部長は満足したのか濃厚で一番好きなキスをしてきてくれた。
「んんっ///」
体は持ち上がり
部長の上に乗っかると肩に手を置き
「少し頑張ってみようか」と突然言い出したのだ。
「へっ?」
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