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「先輩、何か使っていいタオル……」  言いかけた俺の顔面にバスタオルが飛んでくる。  拭いてパンツだけ履くと、先輩は既に服を着てベッドからシーツを剥がしていた。 「洗濯なら俺、やりますよ」 「……お前さぁ、マジ何なの?」 「は?」  首を傾げながら腰を庇うような先輩からシーツを奪う。 「いつも通りってか、その……何だ」 「いや、どれだけ好きって言っても聞いてくれないから長期戦かな?って思ってるだけですけど?」  ついでに使ったバスタオルと先輩の服も洗おうと脱ぎ捨ててあったそれも拾った。 「お前なぁ」  深いため息を聞いて、クルッと向きを変える。 「なら、お試しで付き合ってくれます?」 「はぁ?……ま、一週間?」  手で覆った指の隙間からこっちを見る先輩ですらかわいく見えた。  まぁ、言うことは一切嬉しくもないが。 「短すぎますよ!忙しい!会えない!って言って終わらせる気でしょう?せめて三ヶ月」 「なっがっ!!」  指を三本立てると先輩はうげっと嫌そうな顔をする。 「むしろ短いくらいですが……いいです。それまでにちゃんと付き合うことにするんで」  俺の本気を何度も伝えるのみ。 「……タクは大事な後輩で、お前とはそんな色恋挟みたくなかったんだけど?」 「試すか?ってヤることにしたのは先輩じゃないですか」 「酔ってたんだよっ!!」  喚く先輩に笑ってキスをして、俺はとりあえず洗濯機に向かった。

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