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15、第3話「どうしろって?」
「くっそ……」
髪を掻きむしって項垂れる。
せめて講義でもあれば気が紛れたのに……思いながら空き時間を大学の構内にあるベンチに座って潰していた。
「何、荒れてるの?」
ペシペシと頭を叩かれて顔を上げる。
そこに居たのは美玖で、ある意味今、一番会いたくなかった人物ではあるが、同じ大学である以上仕方がない。
「んー?結局、フラれた?」
ため息を吐いた俺を見て美玖はニヤリと笑って、
「フラれてない」
俺はすぐに否定をする。
身体は重ねたし、お試しってことにもなった訳で……フラれてはいないはずだ。
「そ?私を振ってまで追いかけたんだから……ちゃんと幸せになりなよ」
いつもの調子でチョコを差し出されて、ほとんど考えることもなく口にしてから気づく。
別れてからの距離ってどんなもんなのか?と。
「てか、俺が振ったことになんの?」
「そうでしょ?私と付き合っていながらほぼ毎日『先輩、先輩!』……むしろ、言わない日なんてあった?」
「いや、ま、そうだけど……『別れよう』って言ったのはお前だぞ?」
「言わせたんでしょ?」
ビシッと肩に拳を当てられて黙る。
「こんないい女振ったこと後悔すんのね」
「本当にな」
「バーカ!」
笑って美玖に背中を叩かれて俺もやっと少しだけ笑うことができた。
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