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次の日の夜。
「ねー、城 くん」
俺の育て親みたいなものでもある父さんの彼氏の城くんがダイニングに居るのを見て、俺はリビングのソファーから顔を出す。
いつものように仕事終わりで食事をしていた城くんは不思議そうにこっちを見た。
「どーした?」
チラッとリビングダイニングのドアを見たのは父さんが風呂に行ったかを確認したんだろう。
城くんはいつも父さんを見ているから。
まぁ、俺も父さんに聞くのはためらっていたので父さんが風呂なのはちょうどいい。
「あのさぁ……」
でも、さすがにすんなりと口には出せなかった。
「何?美玖ちゃんのこと?やっぱり別れるんじゃなったか?」
「そうじゃない」
思わずため息が混ざると、城くんはそっと箸を置く。
「何?」
真剣に聞くモードになった城くんを前にしてやっぱりちょっと言葉に詰まった。
でも、このままでは何も変わらない、と時間がない俺は意を決する。
「……猫が立ってなんちゃらってわかる?」
「は?ニャーニャー言うやつ、拓翔知らなかったのか?」
かなり驚かれて俺は思わず睨んでしまった。
「違う!猫がなんちゃらを知らないノンケがって言われたんだよ!」
「……それ、俺に聞く?」
もう開き直った俺が頷くと、城くんは頭をガシガシと掻いてふーっと息を吐く。
「拓翔は今、男と付き合ってるってことでいいか?」
確認されて驚きつつ頷くと、城くんは立ち上がってこっちに来た。
俺の横に座ってじっとこっちを見てくる。
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