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「城くんはさぁ、父さん抱いてんだよね?」 「お前さぁ、それ聞きたいの?」  何てことを聞いているんだ?そう顔に書いてある。  もちろん、俺だって親の性事情なんて知りたい訳がない。  むしろ、知りたくはないし、たまに声が漏れていたりそんな雰囲気は感じることもあるが……想像もしたくはない。でも、 「それだけ切羽詰まってんの!他に聞ける人も居ないし!本当、時間もないの!」  真剣に詰め寄ると、城くんは諦めたように息を吐いた。 「どっちが抱くかって話し合ったの?」  シラフで話すのはさすがにって城くんがお酒を欲しがるから、仕方なくキッチンに移動してカウンター越しに尋ねる。  グラスとビールを持ってきた城くんはダイニングでさっきまで座っていた場所に戻って腰を下ろした。 「いーや、俺は元々バリタチ……あー、攻める方専門ってことな?だし?」  缶ビールのプルトップを開けてゆっくりグラスに注ぐ。  半分くらい飲むと、コトンとグラスを置いた。 「あのさぁ……抱かれるってどんな感じ?」 「だから、俺はバリタチだって。後ろの経験はないよ」  再び箸を持って冷めた夕飯の続きを食べ始めた城くん。  俺がチラッとリビングダイニングのドアを見ると、 「マジで優希さんには聞くなよ」  城くんがちょっとムッとした。 「……城くんはさぁ、父さんが『抱きたい』って言ったら抱かれる?」 「優希さんはそんなこと言わない」 「そうじゃなくて!」 「うーん……やりたいって言うなら?でも、真っ赤になって『無理』って隠れちゃうと思うけど?」  聞きたいのはそんなリアルな答えじゃない。

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