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「マジでしんどい……」  いつもの居酒屋でもう何杯目かの酒を口にした先輩はグタッとテーブルに項垂れる。 「ちょっ、それならもう帰りましょう?送るから……ね?」  先輩の隣に移動して俺の肩に腕を回させると、先輩は大人しくこっちに身を預けてきた。  立ち上がって支えながら会計もして歩き出す。  先輩の家までは歩いて行けなくはないが近くもない。  できるならタクシーだのなんだの使いたいが店から出て風に当たる先輩があまりにも気持ち良さそうで、俺はただ先輩を支えて歩いた。  こんな堂々と密着して歩けるなんてそうそうないはずだし。 「んー?何、ニヤニヤしてんだよ」  それに気づいたらしい先輩がこっちを見てムッとする。 「先輩と一緒で嬉しいだけですよ」 「お前……俺を悶え死にさせる気か?」  微笑んでおくと、先輩はパッと顔を背けて口を尖らせた。 「悶えてくれるんですか?」  赤いその耳を見ながらどうしたってニヤけてしまう。 「……うん。何かムラムラしてきた」 「は?」 「抱かせてやる」 「いや、そういう意味じゃ……」 「んー?あ、そっか!タクもだな!」  にこにこ笑われても理解ができない。 「うん!大丈夫!一緒に準備してやるよ」  満面の笑みにキュンとしている場合ではないのに、先輩がかわい過ぎてどうしようもなかった。

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