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金曜日は早く帰ってきた父さんに車を借りた。
今夜は泊まるかもしれないけど、明日はちゃんと帰ると約束して。
まだ免許を取って日の浅い俺は慎重にナビに従って先輩の職場に向かっていた。
早く会いたい気持ちを抑えて、でも、頭の中にはもうあの笑顔も浮かんでいて。
今日はエロいことはしない。
真面目に想いを伝えようと思考を巡らせる。
そうじゃないと三ヶ月なんてあっという間だから。
ふと信号で停まった時に後部座席に置いた買い物袋を見て笑ってしまった。
どう見たって二人分ではない食材。
先輩を想いながらした買い物はつい買い過ぎてしまった。
「先輩、唐揚げ好きだしなぁ」
呟いてつい鼻歌を歌ってしまう。
仕事で疲れている先輩を早く癒やしてあげたい。
先輩は喜ぶだろうか?
それとも職場まで来たなんて怒るだろうか?
反応を想像するだけでニヤけつつ保育園に辿り着いた。
ほとんど電気が消えて園児たちの姿もなく静まり返った建物。
いくつか電気のついた教室の一つに先輩の姿を見つけて嬉しくなった。
窓辺に居た先輩は俺に気づいて驚いた表情を見せる。
思わず手を振ると先輩は一度振り返ってから窓を開けた。
「な、何してるんだ!」
「え?お疲れだろうと思ってお迎えを?」
微笑んで答えると、先輩は呆れたようにため息を吐いた。
想像していた通りのかわいいエプロンをした先輩。
まぁ、水色のチェックは意外だったが。
「……すぐ行くからそっちの駐車場に居て」
素っ気なく言いつつ、フッと笑ったのが見えて俺もニヤけながら車を言われた場所に移した。
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