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「凄ぇ!お前、本当に料理できんだな」
俺が揚げた唐揚げを摘んで口に入れた先輩はハフハフと熱そうにしながらも満面の笑みを見せる。
「えー、信じてなかったんですか?」
「それならもっと早く作ってもらえばよかった」
「作りますよ?胃袋掴んで離さないように」
ニッと笑うと先輩はそっぽを向いてしまった。
「何で照れてるんですか?」
「照れてない」
そんな反応が嬉しくてすり寄ると、先輩は耳まで赤くして逃げようとする。
「じゃあ、何で?」
「タクが恥ずかしいこと言いそうだから……」
掴まえて後ろからしっかり抱き締めると、先輩はちょっと小さくなってボソボソと消え入りそうな声で言いながら顔を隠した。
こんなかわい過ぎる姿、どうしてくれようか。
小さな顎を掴んでこっちに向かせる。
それでも逃げようとするその口をしっかりと塞いだ。
「好きです」
「っ……」
朱が走る顔に微笑んでまた角度を変える。
「好き」
言いながらキスを繰り返して、想いを流し込むように深く舌を挿し込んだ。
唾液を掻き混ぜて先輩が飲み込むのを見てまた舌先でなぞる。
「んっ……はぁ……」
トロンと溶けたその顔は本当クセになりそうだ。
「本当……好きなんです」
また欲に流されそうになるのから逃れるように、先輩の両頬に手を添えてじっとその大きな目を見つめる。
「そういう恥ずかしいことをお前は……」
「だから、“お試し”だなんて言ってないで俺だけを見て下さいよ」
本当に先輩 を俺だけのモノにしたい。
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