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 なのに、しばらくしてメッセージが届いた。 『すぐ行くからそこに居て』  メッセージを見て驚きつつ、店員が運んできたジュースのストローでムダに氷を突付く。 「何してんの?」  本当にすぐに来た先輩は俺の目の前に腰を降ろしてさっき春樹先生が持ち帰ったばかりのドリンクをテーブルに置いた。 「これは春樹先生が外に行くといつも買ってきてくれる差し入れ」  視線に気づいたのか、先輩は何でもないように笑うが、やっぱりおもしろくはない。 「いつもって……」 「俺がここのアイスカフェオレ気に入って……でも、たまにだって!タクは?それ、何?」  口を尖らせると、先輩は少し身を乗り出して俺のジュースを見つめた。 「バナナジュースですよ」  気を遣われたことに気づいてとりあえずモヤッとしたものは追いやる。 「それってうまいの?」 「飲んでみますか?」  先輩は甘いのはあまり得意ではないが、反応が見てみたかったから。  思った通り、口にした先輩は眉を寄せてすぐにストローから離れる。  無言で自分が持ってきたカフェオレを飲む姿を見て笑ってしまった。 「お前、ワザとだな?」 「だって……てか、先輩は?打ち合わせじゃなかったんですか?」 「は?何それ」 「いや、だって……」  言いかけてあの笑みを浮かべた春樹先生を思い出す。  先輩と一緒に居られることをアピールしたのにドリンクを渡してすぐ帰られたなんて……いい気味だ。

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