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「聞くに堪えないことだらけですが……大袈裟って何ですか?妊娠しなかったら傷ついていないとでも思ってるんですか?」  先輩を再び腕の中に戻して璃央さんを見つめると、璃央さんはこっちを睨みつけてくる。 「そうやって……」 「また?」  先輩をもう俺の胸に押し付けて璃央さんからは隠した。 「花咲さんの若い恋人!居たでしょ!?あのやたらイケメンの!」  色々思い出したのか璃央さんは憎らし気に唇を噛む。  言われて思い当たる人物なんて城くんしかいないが、俺は何も答えず反応を見ていた。 「健太の様子がおかしいって何度も来て説教垂れて……最終的に健太の一人暮らしまで認めさせられたのよ!あいつのせいで!」 「城さんは助けてくれたんだよ!もう、本当、やめてくれよ……」  さも被害者のような、自分が正しい言い方をする璃央さんに先輩は俺にくっついたまま腕の中で叫ぶ。  最後はもう懇願するように。 「何で……」 「あの男は彼氏ではなかっただろ?というか、連れて来る男はいつも損得だけだったよな?そこに恋愛感情なんてねぇじゃねぇか」  完全にいつもの口調に戻った先輩に璃央さんは少し驚いたようだったがすぐにフッと笑った。 「だから何?」  開き直ったようなその態度。 「私を抱いてる間は借金払ってくれてたけど、健太を抱けば残りの全額出すって言ったんだから。少しくらい協力してくれたっていいじゃない」

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