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「何、堂々とプロポーズしてんだ」
「むしろ、何で邪魔するんだよ!」
ムッとすると城くんにデコピンを食らわされる。
「ほら、そんなことしてないで。お店の人とかに見られてるよ?」
少し恥ずかしそうな父さんに言われてハッとした。
先輩はもう笑いを堪えられないらしく声を漏らして肩を震わせる。
「ははっ、もう……すいません」
「うん、いい顔してるよ」
「え?」
「もう十分頑張ったからさ!あとはただ自分の人生好きに生きていいんじゃないか?拓翔に目一杯甘えてさ!あいつはそれなりの器量はあると思うし」
城くんと先輩が二人で話しているのが気になって先輩の腕を引くと、城くんに叩かれた。
「ごめん。ちょっと落ち着きと余裕はないかもしれないな」
意味がわからないのに、城くんは呆れたようにこっちを見てくる。
「いえ、本当優しいし、頼りになりますよ」
微笑む先輩に手を握られて俺も微笑み返した。
「ちょっと……本当にもういいから!見られてるんだって!」
なぜか赤くなった父さんがワタワタとしている。
「そうですね。だから、行きましょうか?」
「わ、わざとだよね?」
城くんが笑ってその腰に手を添えると、父さんは更に赤くなった。
笑いながら四人で不動産屋に入って無事に契約も済ませる。
こうして先輩はうちから二駅先のアパートに引っ越すことになった。
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