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 グチャグチャであちこちお互いの体液でベタベタのベッド。  いくら処分すると言ってもコレはヒドい気がする。  これを引き取る業者に……どう言い訳をしたらいい?  それでも俺たちはもう動けなくて転がったままただ天井を見上げていた。  この天井を見るのも今夜が最後だと思うと少し寂しい気もする。  古臭い天井の染みまで愛おしく見えるのは少し笑えた。 「もうちょっと落ち着いたら……シャワー浴びますか?」 「……いや、今度は俺が喰う」 「えー」  ガシッと腰に絡まれて本当に笑ってしまう。  散々甘く攻めて先輩は三度達した。  出さずにイったのも含めたらもう何度かわからないほどなのに。 「運動会の練習で疲れてるんでしょう?」  体を横に向けて先輩と向き合うと、先輩は俺の胸にくっついてきて甘えるように擦り寄ってきた。  大学生の俺はまだ夏休みだが、先輩は来週、九月になれば保育園の運動会練習も本格化する。  ダンスの振り付けだの競技の小物を考えるだの先輩はずっと忙しそうだった。 「だから、タクを補充する」  掠れた声で言いつつ眠そうなその顔。  頭を撫でていると先輩は俺の背に手を回してゆっくり目を閉じた。  寝るならせめて身体を拭かないと……とも思うが起こすのは忍びない。  先輩みたいにスマートにできないのは歯痒いが、スヤスヤ気持ち良さそうに眠る先輩を見ていると心がじんわりとあたたかくなった。

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