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 八月が終わると塾も夏期講習がなくなる。  ということは、俺は一気に自由な時間が増えるということで、新たにバイトを増やそうか悩んでいたら、城くんに渋い顔をされた。  そこで、塾に居る先生たちに相談した結果、出てきたモノに俺はすぐに飛びついた。  教職の勉強をする学生が実際の小学校で補助としてバイトのようなことができるというもの。  ただでさえ先輩はもう社会人になっているのに、俺はあと二年大学で勉強をする。  バイト代としてはかなり低いが、採用試験で落ちて更に出遅れるのは避けたかった俺にとって現場が見られるのは大きかった。  とりあえず九月の間は塾に行かない火曜と金曜だけになったが、後期の授業、そして、塾との兼ね合い次第でできるならその後も続けることになったのは嬉しい。 「へぇ……じゃあ、今もタクは塾で先生だったけどさ!来週からは実際の小学校で本当に先生やるんだ?」 「補助ですけどね?何か変な感じですよね」  一緒に夕飯を食べながら先輩がにこにこと笑う。  前のアパートとは違う。  今度はちゃんとダイニングテーブルも置いたこのLDK。  あとは奥に寝室があるだけだが、「大学を卒業するまでは一緒に住まない」と先輩が父さんと城くんに宣言したため、そこはもう何も言わなかった。  実際金曜から日曜の夕方まで過ごすのは変わらなかったし、今までのワンルームよりは明らかに広くてちゃんと部屋らしくはなったから。

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