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そのままクルンと体の向きを変えて縮こまった先輩を俺もベッドに転がって後ろから抱き締める。
「家族でって聞いて一緒に居られないと思ってます?」
その首にキスをすると、先輩はピクッと反応しつつギュッと体を強張らせた。
「前、父さんと城くんが言ってたの、覚えてません?」
「……何が?」
思い出すように考える先輩がかわいい。
「家族って先輩もですよ?」
「……は?」
ポカンと口を開けたままこっちを見た先輩に笑ってキスをする。
「聞いてみます?」
起き上がってベッドサイドにあるテーブルからスマホを取ると、そのまま城くんの番号を出してタップした。
「バカっ!今、何時だと……」
「金曜の夜は城くんが遅く帰ってきた後、二人もイチャついて城くんは後始末してるからまだ余裕で起きてますよ」
「へ?」
半身を起こしたまま固まる先輩に笑いかける。
『拓翔?どうした?こんな時間に』
スピーカーにして先輩にも聞こえるようにすると、先輩は恐縮したようにパッと正座をした。
「いや、俺の誕生日に食事って聞いたから」
『あぁ!タワーホテルに十九時な!健太くんと来いよ!』
ウインクして「ね?」と小さく言うと、先輩は少し顔を赤くして俺に手を伸ばしてくる。
「ありがと!」
『ん?何が?それよりヤり過ぎてあんま健太くんに迷惑かけんなよ!』
「もう父さん動けなくした城くんに言われたくないよ」
『うるせぇ!じゃあな!』
図星らしい城くんの言葉を聞いて笑いながら電話を切ると、照れたような先輩をベッドに押し倒した。
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