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第10話

「ん、何、どしたの」 「壮ちゃん、俺ね、壮ちゃんが好きかも。」 「……ぇ」 「結婚しよ!」 結心はそう言って壮五を抱き上げると、ソファーに移動する。 壮五を自分の膝に座らせると、戸惑う彼に目もくれず強く抱きしめた。 「え、結心? 何……? 何があったわけ……?」 「壮ちゃんが好きって気づいた」 「……ぁ?」 壮五は結心の言葉の意味を考えて首を傾げる。 「でも結心、他に好きな子いるだろ。よく匂いつけて帰ってくるし」 「あ……あー……アレね、アレはね、終わり。」 「終わり? 終わってないだろ。」 「連絡先消すよ」 「今? 俺の目の前でそれできる?」 「……するよぉ」 壮五は結心から離れ、結心がスマホを操作するのを見届ける。 「俺ね、俺だけを好きでいてくれる人じゃないと嫌だ。」 「……そだよね」 「うん。だから、結心と体の関係がある人達全員と、関係を切ってくれたなら、付き合う。」 結心はそう言われ、連絡先を開いた。 そして壮五の目の前で何件も何件も削除していく。 「……お前、こんなに関係あったの。」 「……今は関係ない人も含めて」 「……やっぱり考え直していい?」 「え、やだ。」 そして結心の連絡先には壮五だけになった。 その画面を壮五に見せると、彼は口角を引き攣らせて溜息を吐く。 「……うん。わかった。付き合おう」 「……壮ちゃんも、俺のこと好き?」 その言葉に壮五は顔を顰める。 そしてバシッと頭を叩いた。 「あいてッ」 「好きじゃなきゃ二年も一緒に住んでるか!」 結心の胸倉をつかみ引き寄せた壮五は、勢いよくキスをする。 結心は驚いた後、幸せそうに目を細めた。

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