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第11話
二人の関係は漸く恋人同士となった。
なのだが、未だにキス止まりである。
結心はこれまで付き合えば直ぐにセックスをしていたので、付き合ってから一週間放置をされている現状に、ソファーに寝転んで天井を見ていた。
壮五の考えは、そういう雰囲気にもならないし、男同士はどうすればいいのかも分からないし……と、恥ずかしさからそんな話をすることも出来ずに一人で悩んでいるだけである。
だが、もちろんそんなことを結心は知らないので、最早そういうプレイなのかとも思い始めていた。
結心は羞恥心を母親のお腹の中に忘れてきた人間なので、壮五が仕事から帰宅すると、疲れた様子の彼に近寄り「セックスしたい」と堂々と伝えた。
「っ!?」
「壮ちゃんと、シたい。」
「ぉ、お、おまえ、そういうことは、もっと恥じらいを持って言ってほしい……! 俺が恥ずかしい!」
「? 言わなきゃ伝わらないだろ」
「そうなんだけど!」
壮五は顔を真っ赤にする。
ヨロヨロとしていると結心が両手を差し出してきて、その手を掴み溜息を吐いた。
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