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第12話

「俺、シたことないの。誰とも。」 「うん。俺も男は初めて」 「……だから、するってなると準備が必要だと思う。……それから、ポジションを決めて──」 「え? え、えぇ〜? 俺は突っ込む方だよ」 「……じゃあ必然的に俺が突っ込まれる方じゃん。準備させろ。体と、心の。」 壮五はそう言いつつ、『本当に男同士でできるのか……?』と不安になっていた。 結心は「うん!」と元気よく返事をすると、壮五を抱きしめる。 それから小さな顔に両手でそっと触れ、優しく触れるだけのキスをした。 壮五はこれにめっぽう弱いので、多少のことなら『まあいいか』と思ってしまう。 画して、壮五はその日のうちに男同士の性行為について勉強し、必要な物をネットで購入したのだった。 ■ 二日後に届いた荷物。 それを前に、壮五は正座をして腕を組んでいる。 結心はそんな壮五の向かいに座って「まだ開けない? もう開けていい?」とワクワクした様子。

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