12 / 54
第12話
「俺、シたことないの。誰とも。」
「うん。俺も男は初めて」
「……だから、するってなると準備が必要だと思う。……それから、ポジションを決めて──」
「え? え、えぇ〜? 俺は突っ込む方だよ」
「……じゃあ必然的に俺が突っ込まれる方じゃん。準備させろ。体と、心の。」
壮五はそう言いつつ、『本当に男同士でできるのか……?』と不安になっていた。
結心は「うん!」と元気よく返事をすると、壮五を抱きしめる。
それから小さな顔に両手でそっと触れ、優しく触れるだけのキスをした。
壮五はこれにめっぽう弱いので、多少のことなら『まあいいか』と思ってしまう。
画して、壮五はその日のうちに男同士の性行為について勉強し、必要な物をネットで購入したのだった。
■
二日後に届いた荷物。
それを前に、壮五は正座をして腕を組んでいる。
結心はそんな壮五の向かいに座って「まだ開けない? もう開けていい?」とワクワクした様子。
ともだちにシェアしよう!