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第13話
「結心、俺が準備している間、この部屋から絶対に出ないでほしい。」
「何で?」
「……色々聞かれるのは恥ずかしい」
「でもさ、一人でできるの? 何の経験も無いのに大丈夫?」
確かに、それは結心の言う通りである。
一人でできるのかと言われると、怖くて何も出来ない気もする。
ただ長時間風呂場に篭って、挙句何も出来ずに出てきては結心に謝ることになりそう。
「……ここまではさ、一人で頑張ってみて。その後の準備からは手伝わせてよ。」
そう言って結心は浣腸薬の入った箱を壮五の手に置いた。
壮五は不安そうに眉を八の字にして結心をちらりと見る。
「できそう? 無理なら、それも俺が手伝うよ。」
「……できる。」
これは間違いなく強がりだが、見られたくないという気持ちが強かったので、壮五は言い切った。
渡された浣腸薬を持ってトイレに行く。
「十分我慢だよ〜!」
「うるさい!」
さて、結心はトイレに消えていった壮五と、今日はどこまでできるだろうかと考えていた。
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