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第27話
「結心さ、手先が器用だから、それが活かせたらいいのにな。」
「器用かなぁ。確かに、壮ちゃんの好きなところとか好きな触り方とか、そういうのはすぐ分かるんだけど、細かい作業はそんなに得意じゃないよ?」
「……おい、『細かい作業は得意じゃない』だけでいいんだよ。」
「? ごめんね?」
結心はキョトンとしながら謝る。何が悪いなんてそんなのわかっていない。
「好きなことは?」
「好きなこと……セックス!」
「……誰とする、何?」
「ぁ……壮ちゃんとするラブラブエッチ!」
「よし。……いや、よしじゃないや……」
壮五は頭を抱え、振り返った。
結心は少し驚きながら、ヘラッと笑って壮五の頬にキスをする。
「何か探してみる。俺が正社員になれたら壮ちゃんは嬉しい?」
「嬉しいけど……。働き方って色々あるし、結心に合う仕事で、働き方で……そういうのが見つかるのが一番嬉しいよ。」
壮五が苦笑する。結心はドキッとして、より一層腕に力を入れると、パンパンと腕をタップされ「ギブ!」と言われたのでケラケラ笑いながら手を離した。
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