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第40話

靴を履き、玄関のドアを開ける。 「結心! 頑張ってこいよ!」 「ンー」 歯磨き中だった結心は、壮五の激励に左手を挙げて応えた。 今日結心は採用面接を受ける予定だ。 歯磨きを終えると、二人で選んで買った服に着替えて髪を整える。 本当は切った方がいいのでは?と壮五に言われたけれど、これから結心が面接を受けに行く会社はアパレル関係なので、お洒落にしていれば何とかなるだろうと、ハーフアップで低めのお団子を作った。 「おお、ちゃんとしてる人だぁ」 結心は姿見を見ると一人感心して、バッグを持ち靴を履く。 『受かればいいなぁ』なんてノホホンと考えながら。 ■ 壮五は仕事が終わり、さて会社を出ようとビルの一階に着いたところで同僚の女性陣がヒッソリしながらも黄色い声で会話をしているのが聞こえてきて、彼女達の視線を追った。 「!」 そこには歩道の柵に腰掛け、紫煙を揺らしている結心の姿があった。 髪をハーフアップにし、普段は着ないしっかり目の服を着ている彼。

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