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第43話
「ん……結心、電話、誰……?」
「この前面接に行った会社。採用だってぇ」
「え!?」
「取り敢えず安心したぁ。でもまた何か話があるっぽくて、明後日来てねって。」
「ふーん? 手続きとか、何かかな。」
「さぁ? なんだろね」
もう一度壮五の隣に寝転んだ結心は、壮五を抱きしめると彼の肩口に顔を寄せる。
壮五はヨシヨシと結心の頭を撫でてやり、「よかったなぁ」とまだ眠たそうな声で言う。
「ん……」
「今日はお祝いするか」
「そんなのいいよ」
結心は顔を上げると壮五の至る所にキスを落としていく。
「ケーキ買おうぜ。食べれる?」
「あー……甘すぎないのなら食べれるけど、マジでいいよ。就職して祝われる年齢じゃないしさぁ」
「そんなの関係無いって。……あー、でも、あんまり祝われたくないなら、俺がケーキ食べたいから買ってもいい? 一緒に食べよ」
「……うん」
結心は柔く口角を上げた。
壮五の押し付けない優しさが心地よかったからだ。
「ん……」
「はぁ……」
最後に唇にキスをする。
結心はそのまま調子に乗って壮五のお尻に手を伸ばした。
「ん゛っ! っ、待って!」
「アイテッ」
壮五は咄嗟に結心の手を叩き、キッと睨みつける。
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