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第46話

■ そんな日から二日後、結心は会社に来ていた。 壮五に「とりあえず頑張っといで」と背中を押されたので、怠そうに見えて実はやる気に燃えていた。 受付のスタッフに、採用の電話をかけてきた副社長の元に案内される。 「おはようございます」と挨拶すれば、副社長はにっこり笑って結心のすぐ傍に立った。 「おはよう!」 「ぁ……はい」 「早速本題にはいるけど、君にはお願いがあってね!」 結心は『明るい人だなぁ』と思いながら、ウンウン頷く。 「君をうちの服のモデルに起用したいんだよ。イメージしてた雰囲気にぴったりでさ!」 「……もでる」 「そう。ウェブサイトに載るんだけどね、ダメかな。」 結心はコテっと首を傾げ、「わかりません」と返事する。 「恋人にいいかどうか聞かなきゃわかんないです。」 「そうだよね〜。」 「それ、断ったら採用ナシになったり……?」 「無しじゃないよ。もちろん他の席も用意してるよ。とりあえずこれ渡すから、恋人さんと話し合ってみてね。」 色々とモデルに資料を渡された結心は、帰ってから壮五と一緒に読んで判断しようと、それをバッグに入れる。 その後副社長は、結心を連れて会社の案内を始めた。 オシャレな人が沢山いる職場だ。 結心は容姿もセンスも良いので、浮くことは全く無いが目立ってはいる。 そうして会社を歩き回り、色んな部署で多くの人と話をしたおかげで結心は疲れてしまい、会社を出る頃にはツンと唇を尖らせてトボトボ歩いていた。

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