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第51話

「壮ちゃん。俺がモデルしたら、壮ちゃんは喜んでくれる……?」 「ぁ……ぇ、っと……」 「ヤだ?」 「ヤだじゃない……」 結心の言葉につられて返事をした壮五は、いつの間にか肩に入っていた力を抜くと小さく息を吐いて苦笑した。 「嬉しいよ。結心のかっこいい姿もっと見たい」 「!」 「応援してるから、やってみたら?」 「うん!」 キラキラと目を輝かせた結心は、思わずと言った様子で壮五を強く抱き締めた。 壮五は余りの力の強さに「ギブキブギブキブ!」と叫んでいたが。 ■ というわけで結心、副社長からの申し出を承諾し、早速新作の服を着て撮影をすることになった。 「リラックスして」と言われて挑んだ撮影だが、そもそものほほんと生きてきた結心は、緊張というのをした事がなかったので、力むことなく指示された通りにこなしていく。 「ねえ野崎君。SNSに写真あげてもいい?」 「はーい」 「ありがとう」 撮った写真は良かったらしく、皆から褒められる。 その日の仕事を終えた結心はいつもよりもホクホクした気持ちで家に帰った。

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