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──考えが甘かったようだ。 あの後、第三者調査委員会の立ち会いの元、新薬開発に関わった開発者らに詳しい状況を聞いたが、今いる者達はやってないと口を揃えて言うのだ。 しかし、傍から見れば、口裏を合わせているのではと思われ、原因が解明するまでは新薬開発停止という処分が下されたようだった。 それだけでもなかなかの痛手であった。 より良い薬を提供できないばかりか、会社の信用を失う可能性が大きいからだ。 そうして、開発者達の仕事も失う。 そうなってくると、自分達の成果を上げてくれなく、生活の保障をしてくれない製薬会社を早々に見限って、世間に公表されてないうちに別会社に移る者も現れ始めた。 内部が混乱し始めている。 詳細は分からない部分があるものの、日に日に姿を見ない日が多くなり、たまに見かけたと思えば、鬼気迫った顔をして対応に追われている父親を見て、いかに状況が悪化しているのを肌で感じ取った。 今の自分に何が出来るのか。 「──この婚約はなかったことに致しましょう」 原因が明らかになり始めた頃、「大事な話がある」と両家揃って、顔を合わせることとなった。 代々取引関係にあった病院の娘と幼い頃に婚約を交わし、当たり前にその相手と婚姻することとなっていた。 普段着ない堅苦しい服に身を包み、改まった態度でいると、開口一番にそう言われた。 ここまで来てしまったか。 婚姻を交わさなければ、今後その病院に薬を提供できなくなり、こちらの利益がなくなる。 けども、相手の方も不利益になるのでは。 今までも自社独自の薬を提供していたわけだが、相手はそのようなことを気にしている風ではなかった。 俊我が思ったことを困惑を見え隠れしつつも、父はどことなく訊ねていた。 すると、相手側の父親はなんてことないようにこう言った。 「貴殿のところよりも優れた薬を開発しているところがありましてね。今回はいい機会と思い、婚約破棄という形にさせて頂きました」

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