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33.
やはり、オメガに対して嫌悪感を最大限に表す。
たしか華園院の病院では、第二の性のための専門科もあったはずだ。それなのに、あれほど嫌気を差すとは。
いや、それと私情は関係ないのかもしれない。薬物学でも第二の性に関する授業をしていても、偏見の意見を言う学生がいるぐらいだ。関係ない。
じゃあ、あの時一緒にいたオメガは、何か実験のために一緒にいるとでも言うのか。
「なぁ、最後に訊いてもいいか」
「聞いてあげてもいいけど?」
「⋯⋯お前があの時一緒にいた女子はオメガだろう。散々オメガのことを嫌っておいて、そばにいさせる理由はなんだ。何かの実験か?」
「あんたには関係ないでしょ」
背中を向けていた雅がぐるりと顔を向けた。
その表情は、激しい憎悪を煮えたぎらせており、思わずたじろいだ。
「その陳腐な質問をまた訊いてくるものなら、会社を潰すよりも恐ろしいことをしてやるから」
そう吐き捨て、今度こそ雅は踵を返した。
抑えきれない怒りが伝わってくる足音が聞こえなくなった時、深く息を吐いた。
あれほどまでに怒るとは思わなかった。
何がそこまで怒りに触れることだっただろうか。
雅とあの女子が出会った経緯も、仲良くしていることすら気軽に訊くことすらままならないが、首の皮一枚で繋がっている今の俊我は、そのようなことをいつまでも気にしているよりも、改めてしないといけない行動に移すのであった。
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