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やはり、オメガに対して嫌悪感を最大限に表す。 たしか華園院の病院では、第二の性のための専門科もあったはずだ。それなのに、あれほど嫌気を差すとは。 いや、それと私情は関係ないのかもしれない。薬物学でも第二の性に関する授業をしていても、偏見の意見を言う学生がいるぐらいだ。関係ない。 じゃあ、あの時一緒にいたオメガは、何か実験のために一緒にいるとでも言うのか。 「なぁ、最後に訊いてもいいか」 「聞いてあげてもいいけど?」 「⋯⋯お前があの時一緒にいた女子はオメガだろう。散々オメガのことを嫌っておいて、そばにいさせる理由はなんだ。何かの実験か?」 「あんたには関係ないでしょ」 背中を向けていた雅がぐるりと顔を向けた。 その表情は、激しい憎悪を煮えたぎらせており、思わずたじろいだ。 「その陳腐な質問をまた訊いてくるものなら、会社を潰すよりも恐ろしいことをしてやるから」 そう吐き捨て、今度こそ雅は踵を返した。 抑えきれない怒りが伝わってくる足音が聞こえなくなった時、深く息を吐いた。 あれほどまでに怒るとは思わなかった。 何がそこまで怒りに触れることだっただろうか。 雅とあの女子が出会った経緯も、仲良くしていることすら気軽に訊くことすらままならないが、首の皮一枚で繋がっている今の俊我は、そのようなことをいつまでも気にしているよりも、改めてしないといけない行動に移すのであった。

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