45 / 177

45.

そうなってくると、雅とこのようなことをしているのが無意味に思えてくる。 だとしたら、いっそのこと雅を欺いて、あのオメガを自由にさせてやれば。 自分がどんな報いを受けてもいいから、あのオメガだけは。 「何ボケっとしてんのよ」 雅の鋭い声で現実に引き戻された。 「そんなんで、あの汚らわしいやつの相手なんか出来るの。それとも、何か妙なことでも企んでいるのかしら?」 「⋯⋯っ」 まるで、心の奥底まで見られている感覚に喉が鳴った。 少しでも狼狽えた姿を見せては、この女に見透かされてしまう。 「ま、何だっていいけど」 長く感じた視線は、雅から外れたことにより終わりを告げた。 気づかれない程度に小さく息を吐いた。 「とにかくさっさと愛を育んで、子どもを産ませなさい。今のあんたなんかそれしか選択肢はないのだから」

ともだちにシェアしよう!