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そうなってくると、雅とこのようなことをしているのが無意味に思えてくる。
だとしたら、いっそのこと雅を欺いて、あのオメガを自由にさせてやれば。
自分がどんな報いを受けてもいいから、あのオメガだけは。
「何ボケっとしてんのよ」
雅の鋭い声で現実に引き戻された。
「そんなんで、あの汚らわしいやつの相手なんか出来るの。それとも、何か妙なことでも企んでいるのかしら?」
「⋯⋯っ」
まるで、心の奥底まで見られている感覚に喉が鳴った。
少しでも狼狽えた姿を見せては、この女に見透かされてしまう。
「ま、何だっていいけど」
長く感じた視線は、雅から外れたことにより終わりを告げた。
気づかれない程度に小さく息を吐いた。
「とにかくさっさと愛を育んで、子どもを産ませなさい。今のあんたなんかそれしか選択肢はないのだから」
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