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「えっ」と言葉を発したのは、"あいが"のはずなのに、自分の無意識の行動を代弁しているようで、されど、すました顔で「どうした」と訊いた。
"あいが"が目を丸くしていたのも束の間、視線をさ迷わせた。
「え······っと、その······改めて言うほどではないかと思いますが······欲しいのです」
「今、なんて」
「······そ、そばにいて欲しいのです······っ!」
声を裏返ってまで言った言葉。
思っていたほど大きい声で言ったことも含め呆然としかけたものの、赤面し俯く"あいが"のことを見た。
そういうことをわざとらしく言っていたのではないかとそんな嫌な思考が過ぎったが、それとはまた違う意味で、俊我にそばにいて欲しいとお願いをしてきたのではないか。
そんな容易いこと、すぐにでも実現してやる。
「その程度のことか」
冷静を装って、布団に入り直した俊我は"あいが"の方に向き直った。
「あ、俊我さん······」
「お前がそんなことを言ってくるとは思わなかったし、慣れていると思っていた」
「いえ、そんなことは······」
「いや、こんなことを言うのは無粋だな。今言ったことは忘れてくれ」
小さく息を吐く"あいが"に「それよりも」と続けた。
「······お前、さっき着ていたパジャマはどうした」
「ちょっと······肌に合わなくて、と言いますか······脱いでしまいました」
「脱いだ」
さらに頬を染める"あいが"に対し、俊我は理解するのに時間がかかった。
たしかに、あの店から出た時に着ていた服でさえも落ち着かなさそうにしていたと思っていたが、まさか脱いでしまうとは。
さっき、掴んできた際に裸になっていたと、下着同然の物を着ていた時はそれが隠されていたが、それが露わになり、見えていた箇所では初めて会った時よりかは肉が付いてきたと思っていたが、やはり平均よりも痩せている身体付きで、けれども、清く白い肌にほんのりと色づいた淡い色の小さな粒がより目立っていて、目に飛び込んできたものに驚いていたものの、思わず見てしまいそうになっていたのが正直なところだった。
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