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ちらりと見えたボクサーパンツを履いていたことで、辛うじての理性が保ったとも思いたい。が、ほぼ裸という事実が本能に押し潰されそうになる。 「ごめんなさい。俊我さんがせっかく買ってきてくださったのをそのような扱いをしてしまって」 「そんな気はしていた」 頭を抱えそうになったが、申し訳なさそうにしている"あいが"の前ではできなかった。 「俺が適当に選んだ代物だ。お前が肌が弱いまでは知らなかったから、そこは悪かった。明日にでも買いに行くか?」 「買いに······」 嬉しそうに目を輝かせた。が、すぐに困ったような顔を見せた。 その時、あることを思い出した。 「······外に出るのが怖かったんだっけな」 「······ごめんなさい」 「謝ることではない。······だが、お前の好みが分からないからな······」 悩む素振りを見せていると、何か言いたげに口を開いては閉じてを繰り返していた。 「どうした」と促してみると、やや時間をかけてこう言った。 「······パジャマというよりも、女性物の下着が欲しいのですが······」 「······は?」 何かの聞き間違いだろうか。思わずそんな声が漏れてしまい、意味が分からないと受け取ってしまったらしい"あいが"が、「やっぱり、なんでもないです!」と言うのを「いや」と遮った。 「······ただ少し驚いただけだ。······女物の下着、というのは、あそこで着ていたものか?」 「はい······。長年ああいうのを着ていたこともあって、あれじゃないと落ち着かないと言いますか······。寝れなくて······」 「と言っても、きちんと寝れたことはありませんでしたが」と自虐気味に言う彼の言葉は聞いてない振りをした。

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