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「⋯⋯お前、その格好で洗濯物を取り込むなよ」 「そんなことはしませんよ」 「しそうだから言ってるんだ」 つい強い口調で言ってしまう。 それもそのはず、ベビードールという下着姿でいたからだ。 本来であれば、服の下に身に付けるような物を普段着のように着ていたのだ。 始めの頃はパジャマのように着ていた物を──それですら刺激が強かったが──、いつの間にか普段でも着るようになっていたのだ。 「俊我さんが買ってきてくださった洋服にも申し訳ないのですが、やはり、この格好でないと落ち着かなくて」と付け加えて。 百歩譲って、寝る時は仕方ないとどうにか耐えたが、こうも日常でもその格好でうろつかれると、気が休まらない。 格好についても、改めるべきだと口酸っぱく言っている。 「朝晩も暖かくなってきたとはいえ、いくらなんでもその格好は寒いだろう。今すぐにでも着ろ」 「部屋がちょうどいい温度なので、意外と寒くないのですよ。それも何度も聞きました」 日常的に言っているものだから、さすがに鬱陶しく感じているようだ。うんざりとした顔を見せ始めた。 人間らしく、珍しい顔をするものだな。そんな顔でさえ、かわ⋯⋯いや、そんなこと微塵も思ってない。断じて。 「ともかく、人がせっかく買ってきた服をちゃんと着ておけよ。もし、俺が帰ってきた時もそんな格好でいたら⋯⋯」 「いたら?」 何故か、期待している眼差しを向けてきた。 意味が分からないと、その輝かせている瞳から目を背け、呻くように言った。 「⋯⋯無理やり着せるからな」 「えぇー⋯⋯それは微妙に嫌です。困ります」 「だったら、着ておけ」 「うぅ⋯⋯俊我さんがそう言うなら⋯⋯」

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