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それに乗せられて、ぎこちないながらも啄むようなキスをする俊我の唇に、突如ぬるりとした感触を感じ、思わず離れた。 「どうしたの、俊我さん?」 「⋯⋯お前、今何を」 「何って、舌を入れようとしただけだよ?」 「舌、って、お前⋯⋯」 「きもちいいよ⋯⋯?」 「あい、⋯⋯っ」 たじろぐ俊我に迫った愛賀から唇を重ねられ、その驚いた拍子に口を開いてしまった。 その僅かな隙を逃すことなく、愛賀の舌の侵入を許してしまい、呆気なく絡め取られた。 愛賀から逃れようとするものの、上手い具合に舌を絡め、さらには首に腕を回し、顔を背けても執拗に求めてくる。 その甘く深いキスにいつしか俊我は、その舌も混ざって分からなくなっていながらも愛賀の唾液さえも欲しくなってしまい、自らも追い求めた。 「は⋯⋯ぁ、ふ⋯⋯ん⋯⋯あ⋯⋯」 熱い吐息が互いの口の間から漏れ、そのどちらとも分からない息も興奮材料となり、深く深く愛賀に追いすがった。 そして間もなく、小さく震えた愛賀が腰を砕けてきたようだ、立っていられなくなったことを機に、後頭部を支え、激しく愛撫をしつつも、愛賀もろとも床へと身を預けた。 愛賀に覆い被さり、頭上に手を置いて逃さない形を取り、執拗に愛賀の舌を食んだ。 首に痕を付けられない代わりでもあるが、その舌も愛らしく、愛賀の身体のどこでもいいから痕を付けて、自分のものにしたいという強い欲求からだった。 俊我はなけなしの理性でも加減をしているつもりだった。ところが、愛賀は痛がっているようで、眉を潜めて、涙を零していた。 こんなことをしてしまうなんて、あの店で来ていた連中と同じではないかと、一旦離れようとしたが、回されたままの手によって離れようにも離れられなかった。

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