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79.※前戯
寝室に欲情させる水音と嬌声が混ざり合い、響く。
「ん、ふぅ⋯⋯ねぇ⋯⋯っ、しゅんっがさん⋯⋯もう、いいでしょ⋯⋯?」
仰向けで両膝裏をそれぞれ抱えている愛賀が潤んだ瞳で甘えた声を上げる。
臀部部分が大きく開いており、下着をずらすことなく受け入れさせる穴は、解さなくても充分に解れていた。
それは発情期《ヒート》のせいなのか、それとも数多の輩と相手してきたせいなのか。
虫唾が走る。
後者であると思えば思うほど、愛賀のこの誘うような甘えた声も欲しがるように俊我の指を受け入れては離さない密で溢れた後孔も、自分が初めてではないと思うと、苛立ちが募り、無駄にしていた解す指が速まる。
「あ⋯⋯っ、あ、んっ、んぅ、ん⋯⋯ッ」
声が高まる。
同時に軽く達したようで、先端からは白液を溢れさせていた。
「⋯⋯そんな、激しくしたら⋯⋯イッちゃう⋯⋯は⋯⋯ぁ⋯⋯ゆび、いいから⋯⋯はやく⋯⋯」
「ダメだ。俺の指だと充分に覚えてからだ」
「もう⋯⋯、分か⋯⋯っ、あぁ⋯⋯ッ!」
二本から三本に増やし、手を離していた足首を掴み、後孔が充分に見えるまで高く上げた。
三本でも余裕に入るナカを、また同じように最も敏感な部分を擦りつけた。
「あぁ! あっ、あ⋯⋯ッ、そこ、ばっかぁ⋯⋯っ、やだ⋯⋯ぁ!」
口ではいやいやと言いながらも、熟れた果実のように顔を真っ赤に染め、愉悦に浸っていて、啼き叫んでいるように見え、もっと啼かせてやろうと強く押し付ける。
「だめ⋯⋯っ、だめ、だめっ、そんな押し付けたら⋯⋯ぁ⋯⋯っ!」
一段と高い声で啼いた愛賀は、痙攣させ、二度目の精を吐き出した。
息を継がせる間もなく、今度は手前まで入れはするものの触れはせず、指を引っ込ませていた。
「ん⋯⋯ッ、んんぅ、なんで、さわって、くれないの⋯⋯っ!」
「お前がダメだと言っていたからだ」
「ちが、うもん⋯⋯っ、きもち⋯⋯は⋯よくて⋯ッ、だめ、って⋯⋯あ⋯ぁ⋯⋯ッ」
「ワガママなやつだ」
「はぁ⋯⋯ぁ⋯⋯ッ!」
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