「⋯⋯射精(だ)すぞ⋯⋯ッ」 「きっ、た⋯⋯あぁ⋯⋯ッ！」 根元まで押し込めた直後、射精した。 自分の小さく呻く声と、愛賀の声にならない高い声を聞きながら、奥底にある器官にめがけて放った。 ずるり、と引き抜くと全身の力が抜けた愛賀はベッドに身を預けていた。 互いに汗にまみれ、荒く吐く息を聞きながらも愛賀のより一層濃くなったフェロモンが充満し、くらくらとした。 舌よりも自分のものだとはっきりと分からせるあの箇所に痕を付けてやりたい。 それしか考えられなくなり、愛賀を逃さぬよう脇腹の横に手を置いて、熱い吐息を吐いた俊我は、歯を立てた。 「い⋯⋯ッ！」 短い悲鳴を上げる愛賀の声で、自分は噛んだのだと僅かに意識を取り戻した。 自身を戒めるために簡単には取れないあの首輪をさせたままで良かったと酷く安堵をした。 そうでないと、今回は辛うじて首輪下であったが、うなじという取り返しのつかないことをしかねなかったのだから。 うなじは、最後まで愛せない自分なんかよりも一心に愛してくれる人に噛んで貰えばいい。 悔しい。どうして自分じゃないんだ。 噛んだままの歯に力が加わった。 「いっ、た⋯⋯いたいっ、しゅんがさ、⋯⋯ッ」 涙声のような悲鳴を上げた愛賀が痛みから逃れようとしているが、腰が砕けている上に、腹部辺りに腕を回しているために、全く身動きが取れずにいた。 逃してたまるかと、再び貫いた。 「あ⋯⋯ッ！」 愛賀が顔を仰いでもなお噛んだまま太い釘を打ちつける。 「あ⋯⋯っ、あっ、ああっ、あ⋯⋯い、あっあっあっ、あぁ⋯⋯ッ！」 激しく痙攣する。それでも腰を振るのを止めなかった。 「いまぁ、あっ、イッたぁ！ イッ、たからぁ！ あっあっ、やめ⋯⋯っ、これ、ぃ⋯⋯じょ、は⋯⋯ッ、あ⋯⋯ぁ、ん⋯⋯ッ！」 無理やり上半身を起こした愛賀からほぼ透明な液体が放たれ、シーツを汚していた。 さすがに愛賀も限界だろう。 口を離した俊我に甘い声でこう囁いた。 「⋯⋯孕ませて」 俊我の頬に添えてくる手といい、熱っぽい視線を向けてくる上にその誘いを断れるはずがなかった。 その唇に唇を重ねた俊我は再び行為をし始めたのであった。