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「あっ、は⋯⋯っ、おお、きっ⋯⋯あっ、あ⋯⋯ぁ、あっ、き、つ⋯⋯っ!」 「そう言って⋯⋯っ、さっき、物欲しそうに、してただろ⋯⋯っ、もっと、味わえ⋯⋯ッ!!」 「あ"⋯⋯ッ」 ズンッと根元まで突く。 呻きのような嬌声を上げた愛賀の瞳から雫が零れた。 苦しそうに眉を潜めながらも、頬を上気させ、ぼんやりと俊我を見つめてくるのだ。 その一つ一つが愛おしく思えてくる。 が、発情期(ヒート)の時は自分が初めてらしいが、普段の時は数え切れない人と相手をしてきたと思った瞬間、この乱れた愛賀を見たのは初めてではないと、自分のものではないと思うと、苛立ちが募る。 「今は俺のものだが⋯⋯、乱れた愛賀を見るのは⋯⋯初めてじゃない⋯⋯っ」 「あっ⋯⋯ん、は、ぁ⋯⋯っ、あっあっ」 「憎たらしい⋯⋯」 「あっあっあっあっ、あぁっ」 「だから、俺のものだと分からせてやる⋯⋯ッ」 「あぁ⋯⋯っ!」 ピュル、と奥へと放った。 小刻みに震わせ、小さく呻く。 全て射精()し切った後、 愛賀は浮かせていた腰をベッドに下ろすが、俊我は抜かずにいた。 シーツは掴んだままで、呼吸を整えようと、されど開ききった口からは涎を垂らし、ピクピクと痙攣する無防備な姿に、縮んでいた己が反応を示した。 「や⋯⋯、おお⋯きく⋯⋯っ」 直に気づいた愛賀が、ピクッと大きく震わす。 そんな反応をされたら、もっと身体に刻みつけたくなる。 だから。 「もっと⋯⋯愛してやる⋯⋯っ」

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