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その後も仕事に集中できてない俊我のことを見かねてか、いつもより早く上がらせてもらった際に、しばらく休みにしたい旨を伝えた。
時間ができたこともあり、心機一転と新しい携帯端末にした。
その際にあのオメガの連絡先を消した。
けれども、唯一写ったあの写真だけは消さずにフォルダに保存してしまった。
これは自分を戒めるものだと言い訳をして。
「──買い物に行って参りますので、何かありましたら連絡してください」
「ああ」
玄関に向かう上山のことを一瞥した後、流しっぱなしのテレビをただ眺めていた。
ふとした時に愛賀のことを思い出してしまい、仕事にならないため、店長に無理を言って、長期間の休みをしてもらったが、何もやることがない。
昼食を作ろうと思ったが、それも含めて買い物に行った上山には申し訳ないと思い、作れずにいた。
仮に作ったとしても、それに対して何かを言うこともなく、次のことを淡々と行いそうだが。
ポケットから取り出した携帯端末のロック解除をし、次にメッセージアプリを開き、見慣れたアイコンを探していたところでハッとした。
携帯端末を新しくした際に消したじゃないか。
「⋯⋯何をやっているんだ」
その時、たまたま見かけた友人のメッセージを開いた。
あの後、面接した会社に受かったと万歳している何かのキャラのスタンプと共に送られていた。
賛辞を送ると、携帯端末をソファに投げ、それから天井を仰いだ。
こうやって天井を仰ぐ暇さえある俊我とは打って変わって、愛したかったオメガは帰れる家を探すことすら困難な状況に陥っていないだろうか。
伝手に頼んでおいたが、あのオメガにとっては初めて会う相手だ。信頼できなくて、自分でどうにかしようとしてないだろうか。
「⋯⋯ダメだ」
手を覆った。
どうしても愛おしかったオメガのことを思い出してしまう。
気を紛らわすためにはやはり、料理でも作るしかないようだ。
そう思いたった俊我は、ソファから立ち上がり、ダイニングに向かおうと足を向けた。
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