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「⋯⋯おい、子ども騙しにも程があるぞ」 「⋯⋯ですが、これが最善かと思います。身近のもので例えることで、より自分はそういう状況だと理解されるかと思います」 「⋯⋯そんな取ってつけたような話なんか⋯⋯」 「⋯⋯たいがのパパとママはがんばっているの?」 上山とほぼ同時に見下ろすと、戸惑っているような眉をやや下げている顔をする大河と目が合った。 上山の方をちらりと見やると、彼女は小さく頷いた。 話を合わせるようにということか。 たしかに、俊我からは都合の良い話が思いつかなかったところに渡りに船だった。 だとしたら、俊我が掛ける言葉は。 再びしゃがんで、目線を合わせた。 「⋯⋯ああ、大河の本当の親は頑張っている」 「はにわは、わるいことしているの?」 「悪いこと⋯⋯」 ただ、古墳を目指すためだけに勝手になぎ倒している姿を、そこだけ切り取れば、悪いことだといえる。 けれども、ハニワの種類によっては悪霊や災いを防ぐという役割があるのではと言われているように、目指している古墳に辿り着いた時、世界各地の災いをもらってきたハニワはその古墳で浄化し、さらに通ってきた方向に向かって目から光線を放ち、自分らがめちゃくちゃにした街並みを修正する。 その時明らかになるのが、実はハニワは死者にしか視えない存在で、対抗してくる人達もろとも死者の国へと運ぶ役割をしているのだという。 全てが全て悪いこととはいえないハニワではあるが、それでもやはりなぎ倒す意味は分からないが、あくまでも子ども向けアニメだから大げさな描写でもしているのだろう。 現にハニワが目から光線を放った時、大河は大笑いしていた。 それはともかく。

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