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149.
御月堂と婚姻をしたというのをニュースを通じて知り、そして、大河の四歳の誕生日を迎えた時。
上山が辞めるということを告げられた。
元々、雇い主である雅との契約期間が大河の四歳の誕生日を迎えるまでだったという。
そうなのかと思ったのと同時に、中途半端だなとも思った。
あれ以来、今の今まで、雅がこの部屋に顔を出したことがなかったからだ。
あのオメガと一緒になりたいがために、共犯して、既成事実のために身寄りのないオメガと子どもを作らせるような女だ。
ここまで来たのなら、最後までしそうなのだが。
それとも、あいつのお遊びに付き合わされただけなのか。
小野河の会社も御月堂の会社には及ばないものの、実力のあった会社だ。潰す理由が見当たらない。
何かがおかしい。
そして、上山がいなくなってしまうと知った大河が泣きじゃくって、その小さな手で必死に引き止めようとするのを、双方で宥めるのが大変だったが、上山の次に来た世話係が挨拶に来た時、大河が俊我の足にしがみついてきたのだ。
はじめ、主に俊我と上山にしか人と接していなかったため、人見知りをしているのかと思いきや、そうでないことが後に判明した。
その違和感に気づいたのは、仕事が終わって帰ってきた時だ。
前から玄関の音で気づくのか、足早と俊我を笑顔で出迎えてきてくれたのが、その世話係だという人になってから、俊我の姿を見つけて酷く安心したかのような、どこか怯えているような顔を見せてくることが多くなったのだ。
「何かあったのか」と訊こうにも、そのタイミングを見計らったかのように世話係が割り込んでくる。
俊我がいない日中、あの世話係と何かあったのかは明白であるが、詳細が分からないという気持ち悪さがあった。
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