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どうにか、大河と二人きりになる機会を作りたい。 その隙を伺っていると、大河が公園に行きたいと言い出した。 それさえもすかさず、「それは聞き入れられません」と言う世話係の制止を振り切って、大河を連れて公園に行くことにした。 平日の昼間であるからか、よちよち歩き程度の年齢の子どもを連れた親が数組いるぐらいだった。 本来ならば保育園なり幼稚園なり行かせる年齢ではあるが、いかんせん大河の素性は世間的に知られてはならないため、行かせることが出来ずにいた。 だからそのこともあって、なるべく外に行かせないようにはしていたが、こちらの都合ばかり押し付けては可哀想だと、上山と示し合わせてごく稀に連れ出していた。 上山はそのせいで解雇されたのか、だから今回の世話係はそれをうるさく言うのか。それともまた別の理由か。 相変わらずお気に入りのハニワのソフビ人形の十体以上を砂場に並べて、こちらが飽きるほど観てきた例のアニメのセリフを言って、上機嫌で遊ぶ大河にここぞとばかりに訊きたかったことを訊いた。 「なぁ、大河。言いたくないなら言わなくていいんだが、俺がいない間、何か怖いことでもあったか?」 大河の様子を伺いながら訊ねる。 途端、大河の顔から笑顔が消え失せ、顔面蒼白となった。 何だ、いきなりと得体の知れない恐怖のようなものを感じていると、大河が何かを言い出した。 「どうしたんだ」と耳を澄ませてみると。 「⋯⋯たい⋯⋯ぼ、ぼくが、いけないんです⋯⋯。いうことをきけなくて、ごめんなさい⋯⋯」 「⋯⋯大河?」 今まで俊我の前では聞いたことのない言葉遣いで、拙いながらもその言葉を繰り返し呟いていた。 それはまるで誰かに許しを乞うように。 その小さな身体が震え、涙を零したことで「止めろっ」と抱きしめた。

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