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朝食を摂り終え、砂場にいる大河のことを見ていた。 あの時も遊んでいたハニワの指人形を渡してあげたが、嬉々としてアニメのセリフを言うこともなく、砂場に置いたかと思えば、それらに背を向けて、砂いじりをしているようだった。 あれほど大好きであったものに興味が失せてしまうほど、気力がなくなってしまった。 憎たらしい。 あいつと、そしてあんなやつのそばにいさせてしまい、大河のそばにいてやれなかった自分が。 復讐の炎が燃え上がる。が、抑え込み、携帯端末から今日中に入居できそうな物件を探している時だった。 『HZI』とコール画面が表示される。 それは、ひと目で誰かから来たか分からないように、『華園院』のそれぞれの頭文字を当てたものだ。 大河を間接的に酷い目に遭わせた本人の電話に出た。 『ちょっとあんた、今どこにいんのよ』 「どこって、大河を連れて公園にいるが」 『大河って誰⋯⋯って、あの子どもにそんな名前を付けているのね。まあまあいいんじゃない』 「⋯⋯ただケチをつけにわざわざ電話をしたわけじゃないよな」 耳から離し、『切る』ボタンをタップしそうになるのを、『そんなわけないでしょ』と言ってきたので、仕方なしに再び耳に当てた。 『あんたらの姿が見当たらないって言ってきたもんだから、わざわざ電話したのよ』 「⋯⋯お前、そうなった原因を分かっているのか」 『原因って、なんなのよ』 俊我の苛立ちが触発されたように、雅も同じ程度で返したことで、「ふざけているのか」と思わずそんな声が漏れた。 「お前が大河が口を利けないぐらい酷いことをしろと、あいつに仕向けたんだろ」 本当は怒鳴ってしまいたかった。だが、大河が自分のことで怒っているとさらに症状を悪化させてしまうと思い、俊我にとっては抑えているつもりの、それでも怒っている声量で言い放つ。

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