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さっさとやりたいと言う雅に二日後に呼び出された。 「さ、やるわよ」 俊我らが来るや否や、雅はそう言って一人どこかに行こうとするのを、「おい待て」と呼び止めた。 「なによ」 「何ってお前⋯⋯親子を演じるというのなら、並んで歩いた方がいいだろう」 俊我に呼び止められたこと自体嫌に思ったのか、嫌悪感丸出しにしていたのを、そう言ってのけて負けじと睨みつけていたのも束の間、カッと顔が赤くなった。 「あ⋯⋯っ、あんたに言われなくても分かっているわよ!」 そう言って、ヒールをカツカツと忙しなく響かせてこちらに戻ってきた時、大河が足にしがみつき、震わせていた。 「おい、大河を怖がらせるな」 「あんたに何かと言われると癪なんだけど」 「いちいち言っていることに対して突っかかっていると、お前が計画していたことが頓挫するぞ」 大河を撫でながらそう指摘すると、雅は「⋯⋯そうよね」と前髪をかき上げた。 それから雅が揃って並んだことを機に歩き出した。 「前はお前が嫌味をたらたら言っている余裕があったが、それすらなさそうだな」 「嫌味を嫌味で言うなんて、あんたも言うようになったわね」 「そりゃあどうも」 ぎゅっといつもより握ってくる大河のことを気にしながら歩いていると、「⋯⋯焦っているのかもしれないわね」とぼやいていた。 「⋯⋯表面上、こうならざるを得ない立場と知ってしまっているから、自分はお遊びの関係だったと思っている。⋯⋯本当はそうじゃないのに」 何のことだ、と口にはしていたが、それに対しての答えは返ってくることはく、沈黙が流れていた。 車が行き交う音を聞きながらしばらく歩いていたが、このまま互いに黙ったまま歩いていてもどうかとも思い、大河に「公園でも行くか」と話しかけた。 すると大河は、少しの間の後、小さく頷いた。 「大河が公園に行きたいそうだ」 「そう、じゃあ行くわよ」 「どこの公園なのよ」と言う雅に誘導するように向かうのであった。

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