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「おい、お前のせいで大河が怖がっているだろう」 「別にいつもの言い方をしただけじゃない。何? 言いがかり? さっき送ったのがそんなにも腹が立ったわけ?」 「別にそういうわけじゃ⋯⋯」 負けじと言い返そうとしたが、そこで思いとどまる。 「⋯⋯ここで喧嘩したら、元も子もないだろう」 そこで雅もハッとした。 「あんたに言われると癪だけど、その通りだわ」 そう言われるこっちも癪だと思いつつも、雅が「ほら、抱っこしてあげる」とこちらの様子を伺っていた大河に両手を差し出した。 珍しいことがあるなと思っていたのも束の間、大河は一歩後ずさったかと思えば、俊我の後ろに隠れた。 「口では偉そうなことを言うが、この程度もできないんだな」 「口の減らない男ね」 「ほら、大河。俺が抱っこしてやる」と躊躇っている様子の大河を半ば無理やりに抱き上げていると、文句を吐いた。 「お互い様ってことだな。夫婦だからな」 「まあ、一緒に連れ添ってきた仲だから似てきたのかしらねぇ」 にこりとしつつも、怒りをチラつかせる雅に笑みを張り付かせた表情で返すのであった。

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