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あの一件で引っかかったというべきか。 たまたま見たネットニュースに雅と密会している風に見える写真と共に、これもまた大袈裟な文が綴られていた。 上手い具合にできているなとある意味感心しつつも、大河の顔が隠れていて良かったと安堵していた。 万が一のことを考え、よっぽどのことがない限り、そして大河のことをなるべく外に出させないようにと万全の対策をして過ごしていた。 口にも表情にも表さないが、大河は退屈してないだろうかと一人遊びしている様子の大河のことを見ながら思っていたが、こういうことをさせてしまっているのもこちらの勝手な都合だと思っていた。 「大河。外に遊びに行きたくないか?」 何かを描いている大河にそう声を掛けたことがあった。 ぴたっと止まり、こちらの様子を伺うようにじっと見ていたのも束の間、首をゆっくりと横に振った。 「⋯⋯そうか。行きたくなったら、服を引っ張るなりなんなり合図をしてくれ」 口ではそう言ってみせ、しかし、自覚してない、大河を遠慮させてしまうような仕草でもしてしまったのか、大河から合図を送ってくることはなかった。 そんな何の変わり映えのしない、淡々とした毎日を過ごしていた時。 ポケットに入れていた携帯端末が震える。 自分のところに来るのはダイレクトメールの類だろうと思いつつも、条件反射で携帯端末を見ていた。 ところが、予想に反して俊我の元に来たのは雅だった。 あの後、ぱったりと連絡して来ないものだから用済みかと思っていた。 送られてきたメッセージを改めて見た。 『ちょっと買い物に付き合ってくれない?』

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