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ウサギとはちみつ

「なぁなぁ!今日なんの日か知ってる?」 厚めのパーカーを着て嬉々として俺に訊ねてくるこいつは俺の幼馴染み。 顔が童顔なので周りに「カワイイ、カワイイ」とチヤホヤされて育ってきたせいか、自分で自分の事を可愛いと言うところが玉にキズだ。 「どうした急に。今日は、8月の…」 俺がそう言いかけると、パーカーとズボンをバッと脱いで見せてきた。 「ジャーン!逆バニー!どう?似合う?今日は8月2日のバニーの日だろ?俺って可愛いからさ~、お前に見せるために着てみたんだけどっ。」 「……。」 「どうした?…あぁ!もしかして俺のピンク色の可愛い乳首を見ていたな?!変態!スケベ!」 そう言って胸元を隠すこいつに俺は不覚ため息をついた。 「何だよ、ため息つかなくたって良いだろ!?」 「お前、バニーの日は昨日だぞ。今日は8月3日、ほら。」 携帯を見せるとみるみるうちに顔が赤くなっていった。 「うわわわっ!はっず!何だよ気合いいれてきたのに~!もう脱ぐ~!」 「あぁ、脱がなくて良いって。せっかく俺のために着てくれたんたから、楽しもうぜ?それに、今日は8月3日…。はちみつの日なんだよ。」 「へ、へぇ~…じ、じゃあ俺はかえ…」 「今日は帰さないからな。」 「ピギャー!」

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