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今からでも間に合う

「よ、久しぶりだなぁ、河西。」 「さっき連絡入れたばかりなのに、さすが営業部の山本部長さんは行動が早いこと。」 「うるせぇよ」と笑い皺を作りながら俺の隣のカウンターに座る。 高校からの中だが、こんな四十のおっさんになっても仲良く二人呑み出来るとは思わんだろう。 「お前はどうなんだよ?法務部も結構大変なんじゃないか。」 「忙しいのはお互い様だろ。」 「それはそうだ。でもまぁ、このまま仕事して呑んでの繰り返しなんてしてたら、俺たちお互い独り身のまま一生終えちまうな。」 歳を取ってしまったせいか、その言葉に対して笑うことが出来ずにじんわりと目頭が熱くなる。 そんな俺を見て、河西はオロオロとしだす。 「あれ、お前こういう冗談苦手なやつだったか?」 「いや、俺が女だったらなぁって…。あの時から、ずっと…。」 酒が入っているからか、口からついポロッと出てしまった。 慌てて誤魔化そうと顔を上げると、河西の顔が間近にあった。 「お前、それ本気で言っているのか?」 「あ…いや、」 「本気だったら、俺は嬉しかったんだが…、嘘、なのか?」 「う、嘘じゃ、ない…。」

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