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非効率な恋愛
恋愛というのは実に非効率なものだ、人によっては仕事の弊害になりかねん。
実際、私の研究チームの中にもその事で研究に身が入っていないものが多数いる。
原因は金近 、コイツは今年の春に私の研究チームに加入したのは良いがチームの若い女が浮かれ研究を疎かにし始めたのだ。
今日も人気の無い資料室で不純行為をしようとしている。
「ねぇ、金近くん…今夜一緒にご飯でも…」
「堂々と職務怠慢とは随分と偉くなったものだな。何度も全体に注意喚起をしているはずだが、直接言わなければ分からない猿にでも成り下がったのか?」
私がそう言うと女は逃げるように去っていく。
金近はいつものように澄まし顔で私に近付いてくる。
「助かりました戌亥さん。」
「ふんっ、貴様がチームに来てからこういうことが増えたんだ。貴様が優秀でなかったらとっくに追い出しているところだ。」
「それに関しては俺も迷惑してるんです。俺にはもう心に決めた人がいるのに…。」
そう言って何故か私を壁に追い詰める。
気付けば顔が間近にあり、私の唇が奪われていた。
思わず両手で力強く突き飛ばす。
「何のつもりだ、今は職務中だぞ。」
「職務中でなければいいんですよね?じゃあ今夜改めてアタックさせていただきます。覚悟してくださいね。」
金近が資料室を出た後、私はしゃがみこんだ。
なんだ?この顔の熱さと胸の痛さは…私まで奴に毒されはじめたと言うのだろうか?
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