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第4話 酔っ払いのお猫様 ※

目をぎゅっと瞑って覚悟を決めた その瞬間、両手で顔を挟まれて首をぐいと曲げられ 「だめ」 ちゅ 「っんん????!!!!」 は???今、何が?????? びっくりして目を開ける 彗ちゃんの顔が、なんで、こんな近くに ていうか、いま、唇が?!?! 「ぷはっ?!?!すっすすすすすすすいちゃん???!!!」 「おおー、にゃーちゃんやるやん」 「俺の犬塚が…」 パチパチ手を叩くうさ先輩 まだ意味不明なこと言って固まっている馬渕先輩 少し離れた席で熊田先輩はあちゃーと頭を抱えている。 「虎狛はだめ。あげない。」 目の座っている彗ちゃんが腰から離れた馬渕先輩を睨んでいる オレの顔を掴んでいる手に力を入れて 自分の方へ近づけていく 「あのっ!ちょ!すいちゃっ?! んん!?ぁっ、ちょ、まっ…ふっ、んぅ」 舌?!?!舌入ってる!!?? ちょっだめ。なにこれ、おかしくなるって!!! 「すい…ちゃ、ストップ。も、だめぇ…」 涙目になっている気がする。 嘘だ。彗ちゃんにキスで、、泣かされた。 というか、なんでこんなに上手いの、、、 「ふっ、かわいー」 ちゅ、と目元にキスして舌舐めずりする彗ちゃん 「っ〜〜!!!!」 今オレの顔は真っ赤になっているだろう それくらい熱い 彗ちゃんのばかぁ… 「はいはい。猫田ーそこまでにしとこうなー。 犬塚泣かせるなー?」 熊田先輩が彗ちゃんの首根っこを掴まえて引き剥がしてくれた 彗ちゃんは不服そうにしているがオレとしてはありがたい 突然のことに呆然としていると肩を叩かれた 「いやぁ、熱烈やねぇにゃーちゃん」 うさ先輩だ ものすごいニヤニヤしている 「んで?どっちがどっちなん?やっぱにゃーちゃんがネコなん?でもさっきの感じやとわんちゃんがそっちの可能性もありそうやな…まぁどっちがどうであれ興奮するんやけども」 「へ?」 猫田だから確かに彗ちゃんは猫?だが 「いややわぁ。あんな見せつけといて今更何を誤魔化す必要があるんよー。 そんなん、決まってるやん。どっちが受け入れるほうでどっちがぶち込むほうなん?って聞いとr いでっ?!ちょっくまさん思いっきり殴ったやろ!」 「お前も黙ろうなー?あいつみたいになりたくないよな?」 親指でくいっと自分の後ろを指差す熊田先輩 そこには頭にたんこぶを作ってのびている馬渕先輩が 「あいつて……あーーーすんませーん。わいが悪かったですー」 「ん、よろしい」 暗黒微笑ってこういうのをいうんだろうなぁ っていうか、ぶち、こむ?? なに、を……オレとすいちゃんで…… 受け入れて、ぶち、、、、 「?!?!?!?!?!」 そっそそそそそんな!!!!! 彗ちゃんと?オレが?!! いや、想像したことがない、とは言い切れないけど!! そんな!そんな!!! うわぁぁぁぁぁ 頭を抱えてうずくまると 心配そうな顔の熊田先輩が目の前で手を振っておーいと言ってきた 「犬塚、大丈夫か?」 「あ、いや、えと、大丈夫、、す??」 「あーだめだな。悪いなうちの馬鹿どもが」 そういってため息をついた あれ。 「そういえば、彗ちゃんは…」 「あー猫田はそこ」 そう言われて目をやると反対側の端っこの席ですぅすぅ寝息を立てている彗ちゃん 「酔っ払い3人になるとは思ってなかったな…手に負えない。」 「彗ちゃん酔ってたんすね…」 確かに、さっきだいぶアルコールを感じたけど… それどころじゃなかった 「お前たちが3人で話始めてから結構なペースで呑んでたからな」 「そうなんすね。彗ちゃんそんなに酒強くないはずなんですけ、、ど」 よくみると彗ちゃんの座っていたテーブルを見ると空になったグラスが3杯 これであの状態になるのか、、 今後気をつけて見ておかないと、誰彼構わずあんなき、きすとか、したら大変だし 特にオレが穏やかじゃない 「3杯でキス魔になるとは…」 「いや、キス魔ってわけじゃないと思うけどなぁ。前に2人で飲んだ時は顔は赤くなってたけどキスはしてこなかったし」 「え」 「ま、そこらへんは猫田本人から聞けばいいんじゃないか?ってことでそろそろお開きにしよう。 俺はこの2人連れて帰るから、犬塚は猫田のこと頼んでも大丈夫か?」 「あ、はい。」 「じゃ、会計済ませてくるから猫田起こしてやってくれ おい、そこのバカ2人帰るぞ。準備しろ」 「「あーい」」 のそのそと馬渕先輩とうさ先輩が動き出す オレも言われた通り彗ちゃんを起こしに立ち上がる 「すぅ…すぅ…」 「彗ちゃん、起きて。そろそろ帰るよ。彗ちゃーん!」 肩を揺らして声をかけるが、反応なし とりあえず横になっている彗ちゃんの上半身を抱えて起こす 「起きてー帰るよ」 「んぅ…こはく?」 「そうだよ。帰る準備しようね。」 彗ちゃんが少しずつ目を開け始めたので荷物取ってこようと思い立ち上がる 「いくな。」 「へ?っうわ?!」 背中にずしっと重みを感じる でもって後ろから腕がぎゅうぎゅう締め付けてきた 彗ちゃんが抱きついてきたようだ 「あの、えっと、彗ちゃん?荷物取りに行くだけだから、離してもらえるとありがたいんだけど」 「やだ。このままとりにいけばいいだろ」 離れないからなと力を強くする彗ちゃん あーーもーーそんなかわいいことしてーーー!! 「わかった!わかったからちょっと力緩めて?動けないからさ」 「ん」 少し腕を緩めてくれたが離れる気はないようで そのままの状態で半ば彗ちゃんを引き摺りつつ荷物を取りに行く さっきからうさ先輩が見せつけてくれるやーんとかなんとかうるさいけど無視 それどころではない。甘えた彗ちゃんとか激レアすぎて心臓の鼓動がやばいことになってる 「彗ちゃん?このままだと帰れないから一回離そうね?オレはどこにも行かないから」 そういうとしふじぶといった感じで離れてくれた スタスタと座敷の出入り口まで歩いていき靴を履いて早く来いと手招きしている 「ん゛っ」 かわいいが過ぎる! お酒入ると甘えん坊になるのか 「はいはーい。今行くからちょっと待ってね」 駆け足で彗ちゃんの元へ向かう 靴を履いて立ち上がると 彗ちゃんが両手を広げて待っていた 「抱っこ」 「へ?」 「抱っこして連れて帰って」 「んんんんん???」 ふらふらで歩けないから家まで抱っこして行けと そういうことらしい 危険だ。この人。絶対オレの目の届かないところで酒飲ませちゃだめだ 「抱っこだと歩きにくいからおんぶでもいい?」 「ん」 「じゃあ、はい。どうぞ」 屈んで背中を向けるとすぐに背中に重みがきた ぎゅっと腕を回されて、顔が近くにくる 飲んでいた甘いお酒の香りがする… てか、キスされたんだよな… 異様に早くなる鼓動が背中越しに彗ちゃんにバレないことを祈りながら先にお店の外に出た先輩たちを追いかけた

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