抱きしめられたままの体勢で先輩の手が背中から移動して服の中に入ってくる ゆっくりと俺が怖くないか確認しながら、丁寧に身体に触れられる 指先が胸の突起にふれ、思わず声が漏れてしまった 「もしかして、自分で触ってたりするのか？」 「……たまに、ですけど……んっぁ…」 指先でくるくると撫で回したり、つまんだりと甘い刺激でだんだんと息が荒くなってくる さっきまで優しかった先輩の動きが俺の声に合わせて少しずつ激しくなる 「あっ　はぅ……くまだ、せんぱぃっ　それ、もうダメっ」 「ふふ、気持ちよさそうにみえるけど？それに、こっちも硬くなってる」 「ぁっ…」 そう言ってズボンの中で窮屈そうにしている下半身を撫でられる 最近期末試験の勉強でなかなか1人でするタイミングがなくて溜まっていたからだろう 乳首への刺激だけで痛いくらいに勃ってしまっている 「一回、出しとこうな」 そう言ってズボンを下げて露わになった下半身に顔を近づけられる その瞬間、生暖かい感触に包まれた じゅぷじゅぷと音を立てて上下に刺激され 自分から溢れたものなのか先輩の唾液なのかもわからないほどドロドロになっている 「…う、ああっ」 「ひもひいいは？（きもちいいか？）」 「せんぱいっ　　咥えたまま喋らないでっください……んんっ　はっ　ぁ」 「ん…気持ちよさそうだな。出そうなら出していいからな……んむ」 一度口を離してそう言ったあと、また口内に俺のものを含んでさっきよりも激し目に刺激してくる 「っあ　んん゛」 卑猥な音を立てている下半身 イかせようと舌で亀頭を舐められ 少し勢いよく吸い上げられる 「んぁあっ！？せんっぱ　それ、やばっ」 「いっへいいほ（いっていいぞ）」 「だからぁっ　それ　だめっだってぇ でるっでちゃうっ　　んぁあっ」 最後に思いっきり奥まで咥えられたので我慢できなくなり あえなく腰を跳ねさせ射精してしまった 「はぁ　はぁ」 「…んっ　どうだ、気持ちよかったか？」 「はぁ…はぃ…よかった、です」 「じゃあ次は俺もいいかな」 そう言ってベッドをポンポンと叩かれる 言われた通りに座ると先輩に押し倒され ズボンを脱がされた 「せん、ぱい？」 「猫田はさ、ここ、使える？」 そう言って裸になったお尻を指でなぞられる 使ったことはない、が自分で触ったことくらいは、ある 「指、なら入れたこと、あります…」 「これ、入りそうか？」 腕を握られて先輩の下半身へと持っていかれる 先輩もズボンを脱いだらしく直に触れたそれは俺のものよりも大きくて太かった 「わ、からないです。でも、俺も先輩に気持ちよくなってほしい…から」 優しくしてください…と消えありそうな声で伝える 「まかせろ。しっかりほぐしてやるから。でも、無理だけはしなくていいからな」 「わかり　ました」 それから先輩は念入りに指で入り口をほぐしてくれた 痛くないようにゆっくりと 初めの異物感もだんだんとなくなってきて あるところでびりっと腰に電流が走ったような快感があった 「…もしかして、ここか？」 「あああっ？！なんっですか　それっ　おかしぃっ…」 同じところを刺激され声も我慢できなくなる 「前立腺、だな。気持ちいいところ、だからそのままいっぱい感じてな…」　 入れられた指が少しずつ増えて バラバラの動きで何度も前立腺を刺激される 随分長い時間そうされていたような気がする ローションと体液でぐずぐずになった 「んんんっ　あっ… も、だいじょっ」 「……わかった。痛かったら言えよ？」 そう言って指が引き抜かれて、それとは比べ物にならないくらい熱くて大きいものが空になった穴にあてがわれた 「いいか？入れるぞ…」 「は　い　」 「ゆっくり息吐いて…そうそう、力抜いてな…」 「…すぅ… ふぅ　 っっっ？！ああ゛？！」 俺が息を吐くのに合わせて先輩がグッと腰を進めていく 熱を持ったモノがゆっくりと侵入してくる 指なんか全然比べ物にならないくらいの圧迫感に頭がクラクラする 初めての刺激に自然と下腹部に力が入ってしまったようで 「んあっ……あつぃしでっかい…」 「くっ…猫田っ…それ、やばいっ」 「へ…？」 「っまじか、無自覚かよ… 猫田、受けの才能あるぞ」 それってどういうことですか　と聞こうとしたが 先輩がゆるゆると腰を振り始めたので、それどころではなくなった 「んっ　はぁっ　ぅぁっ…」 「ふっ　くっ… 猫田、きもち、いいか…？」 「は　ぃ…っ　せんぱいも気持ちい　ですか」 「なら、よかった。　俺もっ気持ち、いいよっ」 そう言って少し動きを早める先輩 その表情はいつもと違って余裕がなさそうだ いきそう、なのかな そう思ってさっき先輩が感じてくれた時みたいに下腹部に力を入れてみる 「っぅあ？！？ ね、こた？それ、わざとやってるのか…？？」 「だめ、でした？」 「いや、ダメじゃない。すげぇ気持ちいいよ」 「なら、よかった…です」 褒められたみたいで嬉しくなってしまう 何度か力を入れて締めるたびに先輩が反応をしてくれた それに合わせて先輩の腰の動きが早くなる 「あっ…あ…」 「ぅ…はぁっ… やばい… 猫田、そろそろ、いってもいい、か？」 奥をつかれるたびに息が漏れるだけで返事ができなくなっていた俺はこくんと頷く それを了承と捉えた先輩がラストスパートをかけてくる 「くっ…ぅ……ふっ　ぁ　やば　いくっ　いくぞ！　あぁっ」 俺の中でどくどくと先輩の熱が吐き出されるのが、わかった はぁはぁとお互いの荒い息だけが部屋に響く 「ん、抜くぞ…」 「ぁ　はい…」 ずるりと先輩のモノが俺の中から出ていく チラリと見えたゴムの中は真っ白い液体で満たされていた 「…ふぅ……… どうだった？男同士のセックスは」 ゴムを外してゴミ箱に捨てた先輩がまだ息の上がっている俺の髪を撫でながら優しく問いかけてくる 「……よかった、です…」 それに、どうやら俺は相手が感じているときに見せる表情が好きらしい、ことがわかった 少し歪んで我慢をしている顔に興奮した…… 「そうか。ならよかった。初めてが嫌な思い出にならなくて…」 もし、そんなことになったらきっと俺は虎狛くんとやらに殺されるだろうからな。といって先輩は笑っている 「先輩は、ちゃんと気持ちよかったですか？」 「あぁ、めちゃくちゃよかったよ。もしかしたら相性いいのかもな…なーんて」 それは、もしかしたら、そうかもしれないな、なんて思ったが、いかんせん初めてのことなのでそうですねとは言えなかった 「…もし、よかったら、また相手してくれな」 「…はい。」 先輩が優しくしてくれたから俺も最後までできたんだと思うし、本当に嫌なことはしてこないのも分かっているから… お互いに今の恋に踏ん切りをつけるまでの間、利用し合う しばらくはこの関係に甘んじてもいいかもしれない、とそう思った 結局この後、色々とあって片手で数えるくらいしかやらなかったんだけど… それはまた別の話