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第17話 夜明けとコーヒー
「んん……ふわぁ…」
カーテンから入ってくる陽の光で目が覚めた
少し痺れる腕の中にある重さを感じて自然と口元がゆるむ
昨日2人で抱き合ったまま眠りに落ちてそのまま朝まで同じ体勢でいたらしい
まだ寝息を立てている彗ちゃんを起こさないようにゆっくりと腕を引き抜きベッドに下ろす
もぞもぞと彗ちゃんが動いた
「う……ん…こはく……すぅ」
起こしてしまったかと思ったがどうやら寝言だったみたい
寝ている時もオレのことを考えてくれているなんて、ただでさえゆるんでいる顔がさらにだらしなくなっている気がする
「あーー…やばいなぁ。ほんとにかわいすぎるよ。」
寝ている彗ちゃんの髪を撫で、ベッドから立ち上がる
顔を洗ってコーヒーでも飲もう
一息つくために淹れたコーヒーを飲みながら昨日のことを思い出す
彗ちゃんの身体、すべすべだったなぁ
それに、あんなにエロくなっちゃってたなんて…
落ち着こうと思っていたのに下半身が元気になってしまった
ガタンと机につっぷして深呼吸する
「はぁ……朝だから、仕方ない仕方ない…」
「何が仕方ないんだ?」
「ふえっ?!?!すすすすすすいちゃん?!」
声をかけられて椅子から落ちそうになりながら立ち上がる
テーブルの上は汚れていない…
なんとかコーヒーはこぼさずにすんだ
「そんなにおどろかなくてもいいだろ」
「ご、ごめん。びっくりしちゃって。
もしかして起こしちゃった?」
「ちょっと、寒くてな
誰かさんが置いていったから、かな」
もう離さないんじゃなかったのか?
そう言って正面から抱きつかれる
突然の出来事に行き場をなくした両手が空を彷徨う
「ぅえ?!?!すいちゃん?!?!」
「なんだよ。」
「もしかして、まだ寝ぼけてる?こ、コーヒー飲む??目が覚めるかもしれないよ??」
「……ばーか。」
「え、ええええ?!?!?!」
そう言ってさっと離れていく彗ちゃん
ちょっと不機嫌そうである
オレの座っていた椅子を元に戻して、机に置いてある飲みかけのコーヒーをのんだ
「ちょ、彗ちゃん新しいの淹れるよ?」
「これでいい」
「そ、そう?なら、いいんだけど」
「それよりそれ、どうするんだ?」
治りかけていたところに彗ちゃんのハグを受けてまた元気になってしまった下半身に目線を向けられる
「あ、ぇ、ぁぁあ!大丈夫!生理現象だから!すぐ落ち着くから!!」
「ふーん。そっか、残念」
「んな?!残念ってどういうこと?!」
「んーー?なんでもない」
悪戯に成功したみたいにニヤニヤとしている彗ちゃん
「ちょ!彗ちゃん!?なんか急にえっちになってない?!?オレの心臓持たないから!!!」
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